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アカデミー賞🄬受賞作『キャロル』脚本/フィリス・ナジー×『バービー』『ダラス・バイヤーズクラブ』プロデューサー/ロビー・ブレナー

Introduction

名もなきヒロインたちが「女性の権利」のために立ち上がった、感動の実話

『コール・ジェーン』は、女性の選択の権利としての人工妊娠中絶を描いた実話を基にした映画だ。 本作に登場する「ジェーン」は実在した団体で、人工妊娠中絶が違法だった1960年代後半から70年代初頭にかけて、推定12,000人の中絶を手助けしたと言われている。しかし、1973年アメリカ連邦最高裁が合法判決を下した「ロー対ウェイド事件」※から50年、今、米国では、再び違法とする動きが活発化し、論争が激化している。女性たちが自ら権利を勝ち取った実話を映画化した本作は、映画祭で注目を集め大きな話題となった、今、観るべき社会派エンタテインメント作品である。

※1973年アメリカ連邦最高裁が女性の人工妊娠中絶の権利を合法とした歴史的判決

Story

妊娠? 助けが必要?ジェーンに電話を!

1968年、アメリカのシカゴ。裕福な家の主婦として生きるジョイは何不自由ない暮らしを送っていたが、2人目の子供の妊娠によって心臓の病気が悪化してしまう。
唯一の治療は、妊娠をやめることだと担当医に言われ中絶を申し出るが、中絶が法律的に許されていない時代、地元の病院の責任者である男性全員から「中絶は反対だ」と、あっさり拒否されてしまう。
そんな中、街で偶然「妊娠?助けが必要?ジェーンに電話を」という張り紙を見つけ、違法だが安全な中絶手術を提供するアンダーグラウンドな団体「ジェーン」にたどり着く。その後、ジョイは「ジェーン」の一員となり、自分と同じ立場で中絶が必要な女性たちを救うために立ち上がる!

Staff

アカデミー賞®受賞作『キャロル』脚本
【監督】フィリス・ナジー

1962年、ニューヨーク出身。劇作家・脚本家・監督。1992年にロンドンに渡り、当時、舞台演出家として活躍していたスティーブン・ダルドリーのもとで劇作家としてキャリアをスタートさせる。初めて監督と脚本を務めたのは、2005年の『ミセス・ハリスの犯罪』。1980年に実際にアメリカで起きた事件を基にしたTV映画は、ゴールデングローブ賞をはじめエミー賞のテレビ映画部門で監督賞と脚本賞がノミネート。脚本家としては、パトリシア・ハイスミスの小説「The Price of Salt」をトッド・ヘインズ監督によって映画化した『キャロル』(15)の脚本を担当。『キャロル』はアカデミー賞で脚本賞を含む最多6部門でノミネート。また、本作『CALL JANE』はフィリス・ナジーにとって長編映画デビュー作となる。

『バービー』『ダラス・バイヤーズクラブ』
プロデューサー

【プロデューサー】ロビー・ブレナー

製作としては、過去に手がけた『ダラス・バイヤーズクラブ』(14/ジャン=マルク・バレ監督)がアカデミー賞3部門を受賞(マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトが主演男優賞と助演男優賞を受賞)。そのほかの代表作は、2023年公開の『バービー』(グレタ・ガーウィグ監督)、シルベスター・スタローン主演によるサスペンスアクションシリーズ『大脱出』(13)、『大脱出2』(18)、『大脱出3』(19)など。製作総指揮としては、ニコラス・スパークスのベストセラー小説をミシェル・モナハンとジェームズ・マースデン共演で映画化したラブストーリー『かけがえのない人』(15/マイケル・ホフマン監督)など。

Comment

(五十音順・敬称略)

  • 私たちに今認められていることは、
    誰かが命懸けで獲得したものなのかもしれない。
    時代が戻されようとしている今、もう一度考え直すべき問題だ。
    そして女性たちが闘うには、まずあたたかいパスタと励ましで、
    心の回復が必須なのだろう。
    自分の価値を決してジャッジされない安心感
    私たちも手に入れたい。

    石川優実(俳優)

  • なぜ、自分の人生を他人が決めるのだ?
    60年前の出来事でも男性が未来を決める構造は今も続く。
    不平等の世界を変えるのは団結だと伝える実話は
    声を出せない女性たちの勇気へと繋がり
    パワフルな歌声と共に脳をクリアにする。
    女性は社会を変えられる、それがこの映画だ。

    伊藤さとり(映画パーソナリティ)

  • 「君なら看護婦になれたのに」そんな言葉に
    「私なら医者になれたはず」と返す主人公。
    職業、役割、そして体の権利は誰の手でも決められるべきではない。
    彼女たちが必死で前進させてくれた時計の針を
    これ以上巻き戻さないために、今観るべき映画。

    伊藤詩織(映像ジャーナリスト)

  • わたしたちの体の自己決定権の問題を観念にとどめることなく、
    ずずんと身体感覚に落とし込んでくれる作品。
    母体が軽視される現状に怒り震え、
    助けの手を差し伸べるジェーンたちの優しさに心が溶け、
    そのしたたかさにあっぱれとなった。
    無数のアクティビストたちが勝ち取ってきた権利を簡単に諦めないためにも、
    今こそ見るべき映画だと思う。

    今井美穂子(芸能通訳者)

  • なんて楽しい社会派映画なんだろう。
    ほんの少しだけ感じていた今への違和感から、
    自分がなすべきことへ突き進んでいく
    エリザベスバンクス演じるジョイがなんとも素敵。心から応援したくなった。
    頼むから幸せで終わってほしいと祈った。
    私たちが生きるこの生きにくい時代も、この映画のように、
    ハッピーエンドでありますように。

    岡田惠和(脚本家)

  • 知恵とユーモア、勇気と怒りで繋がるキャラクターたち。
    つながり、語り合い、行動する姿が、目に焼き付いて離れない。
    今も世界各地に、たくさんの「ジェーン」が存在する。
    スクリーンを見上げた瞬間から、抵抗への参加が始まる。

    荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)

  • 1973年に女性の中絶権を認めた「ロー対ウェイド」判決が2022年に覆ったことを筆頭に、
    女性の身体を当事者以外が管理しようとする動きはいつまで経っても止まらない。
    政治的争点にもなるシリアスなテーマではあるけれど、
    “ジェーンたち”の「今そこにある女性の危機」に並走する行動力とヒューマニティ
    前向きなエネルギーを放っていて大いに勇気づけられた。

    奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

  • 一昨年末公開され話題になった『あのこと』は、
    少し前の時代のフランスを描いた映画だけれど、
    その主人公アンヌのそばにも、この「ジェーンたち」がいたなら…。
    プロチョイス派(女性の自己決定権を優先する立場)を表明するコメディエンヌ、
    エリザベス・バンクスが主演を務めることで、
    敷居は低いながらも、力強いリアリティを感じられる作品となった。

    小柳帝(ライター・編集者)

  • 「法が間違っていたら、私たちが行動するしかない」
    非合法に人工中絶施術をして女たちを救った「ジェーン」たち。
    『バービー』の現実世界で起こっていたこの驚くべき実話の巧みなドラマ化。
    私たちの「選ぶ権利」を守り抜いた女たちの勇気と行動力に乾杯!

    斉藤綾子(映画研究者/明治学院大学教員)

  • なんて頼もしい女性たちだろう!
    道なき道を切り拓いてくれた彼女たちに続きたくなる、
    そんな勇気と強さと優しさを受け取りました。
    女性の権利を問いかける映画がまたひとつ生まれたこと
    それがとても嬉しい。心から嬉しい。

    新谷里映(映画ライター)

  • 中絶が違法だった時代に助けあった女性たちの物語。
    中絶をモチーフにした映画の中でも、力強いメッセージが印象的。
    ごく普通の人が、何も過失がなくても、
    直面するかもしれない問題
    であると同時に
    誰からもジャッジできないことも教えてくれる。
    理解が広がっていき、支え合う姿が感動的だった。

    宋美玄(産婦人科医・医学博士)

  • 当時母体より胎児を重んじた男社会に反旗をひるがえした一主婦の闘いは、
    1973年、女性に妊娠中絶の権利を認める法律の制定に結びついた。
    それから60年たった現在、アメリカでは、
    女性だけに負担をかけるのではなく、
    男性もまた、自分たちの「中絶」に関心をもって行動し始めている。

    田嶋陽子(英文学/女性学研究者)

  • ポップで可愛い世界観とは一変、内容は全く可愛くない物語。
    自分がもしこの時代に同じ経験をしていたら、
    果たしてどんな選択をしていただろう。
    今当たり前にある法律や常識も、
    未来から見たら変なものばかりなのかもしれない。

    益若つばさ(モデル・商品プロデューサー)

  • 裕福な女も、貧しい女も、思春期の女も、経験豊かな女も、
    望まない妊娠をすれば心身は痛み、苦しむ。
    しかしそれは無いことにされてきた。だれによって?
    痛みを無視する社会の姿を浮き彫りにするこの作品を、
    どうか観てほしい。私たち全員が、当事者だから。

    瀧波ユカリ(漫画家)